まさに素晴らしき青春時代の1ページ
ジャズを通じて友情を深めていく男たちの物語だが、そこにはまさに青春の1ページがふんだんに盛り込まれており、色褪せていた自分の青春時代までもが、鮮やかな色を伴ってよみがえったかのような錯覚にさえ陥ってしまう。
音楽嫌いの私でもぞっとするほどのジャズセッション、一昔の前の思春期の男女らいし淡くて切ないラブストーリーなど、珍しくもない設定と背景なのだが、物語を作るというのはこうするのだといわぬばかりの作劇は、昨今、設定とキャラだけでお話を作ってしまうこの世界への警鐘のようにも見える。
唯一、最後の展開だけがどこか中途半端に感じたのは残念だが、アニメ視聴後に原作を全館読破してみれば、明らかに尺が足りなかったことが分かる。それでも、普段のノイタミナより1話多く、冗長とした展開などほとんど見られなかったところを見ると、やはり最初から尺が僅かに足らないのが分かっていてオリジナルラストにしたのであろう。
あのラストはそれはそれで良いので、DVDで15分でも加筆修正されるというのであれば、全館購入してもよいほど。
あのラストはそれはそれで良いので、DVDで15分でも加筆修正されるというのであれば、全館購入してもよいほど。