2009年夏期アニメ総評

1位:化物語

シャフト×新房の抜群のセンスが光った傑作

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ありがちな妖怪退治モノでありながら、妖怪に憑かれたエキセントリックな少女たちの個性溢れる物語は今まであった単純な妖怪退治モノと明らかに一線を画し、凄惨でおどろおどろしく描かれるべき妖怪たちをカラフルにそしてコミカルに描いた見せ方は秀逸。

1クールで収まらずに最後のエピソード、「つばさキャット」のみほぼ全編放映に収まりきらなかったというストーリー構成上の失態はあるものの、その点だけで評価を下げるには余りに惜しい。

パステル調の穏やかな画面や原色を基調とした鮮やかな色使いは精妙で、1つ1つの画面が絵画のような美しさと芸術性を帯びている。1カットを瞬間的に連続して見せる見せ方は動きの少なさを補って余りあるセンスがある。

最後のエピソードはネット配信するとのことだが、DVDのおまけとして販売促進手段としなかったことも好感が持てる。実際、DVD出るまで待てないほど期待していますw

2位:大正野球娘。

丁寧なストーリー作りと多彩なキャラが織り成す見事な青春群像

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どこにでも転がっているただのキャラ萌えアニメかと思えば、大正時代に少女たちが野球をするというテーマを丁寧に作り上げており、多彩なキャラたちをそれぞれ完全に確立させ、1つの物語として完璧に作り上げている名作。

野球を見たことさえない少女たちが大正という時代を背景に野球に没頭する姿は今では少なくなったスポーツ青春モノの爽やかさを具現しており、ストーリー展開から野球の進行まで見せ場をきっちり抑えてストレスなく視聴できる。

ともすればご都合主義的な展開とも思われるが、それにも増してキャラたちへの愛着が湧くような作りになっており、終盤には親心のような感覚さえ芽生えて彼女たちを素で応援したくなってくる。
今期、オチがグダグダな作品が多い中、唯一と言っていいほど綺麗に終わらせ、なおかつ次回作も作れるよう構成されており、その周到さと見せ方の巧さには脱帽するしかない。

3位:グインサーガ

当然の如く未完で尻切れトンボ

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原作が120巻を越えているという段階でストーリーを完結させるのは不可能ということで、どうしても中途半端なストーリーにしかなりえないのだが、変に事後のエピソードにからむ連中を出してきたりしてあたかも続きを作るような雰囲気を出して終わらせているのは好感が持てない。

原作の優良さは十分に伝えることができており、壮大なストーりーの序章としては申し分ないのだが、初めから作る気も終わらせる気もない物語の序章ということで、どうしても原作本の販売促進CMという雰囲気を拭えない。

しかしながら、序章だけでも十分楽しめる壮大なストーリーと個性的なキャラクターの数々はやはり魅了される。
未完の作品としては本来高得点はつけないのだが、そうするには惜しいほどの魅力ある作品である。

4位:鋼の錬金術師

派手な立ち回りに意外性のあるストーリーに魅了される

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1クールまでは前回のリメイクということで退屈な導入が続いたが、2クール目になって原作に沿ったオリジナル展開となり、ようやく本来作品が持つ魅力が発揮されてきた。

本来なら鈍重で悲惨な物語なのだが、それを軽妙にして秋霜とした物語に見せているのはやはり原作の力に寄る所が大きそうだが、苛烈とも言える展開に容赦のないエピソード、ひとつ間違うと不快にさえなる展開を見事ドラマチックに練り上げているストーリーは流石といわざるを得ない。

咲く画面も目を見張るというほどではないが毎回平均以上をキープしており、動きやパースも迫力ある見せ方になっている。
ほとんど非の付け所がないが、RPG風にエドとアルの行く先々で発生してゆく物語を追ってゆくことで物語が収束してしまっているため、現状、あまり広がりを持っていない。今後、枝葉のエピソードが次第に構築されていくことで解消されるとは思うが・・・。

5位:亡念のザムド

設定の難解さがあるが、人間ドラマとしては興味深い

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登場人物の多さ、設定の難解さ、世界観の視界の悪さが物語りへのめり込むのを邪魔しているが、それらのマイナス要員があってなお、人間ドラマとして面白みがある。

テーマとして掲げてある「痛みは出口になる」というコンセプトもいまいち理解できないが、理不尽な世界、理不尽な大人、理不尽な力、理不尽な法、理不尽な慣習。それら目に見えない理不尽さに抗おうとする大人と子供たちの物語は、悲愴なまでの必死さと瑞々しい熱意にあふれている。
特に、親父たちの熱いドラマは他の作品では見られない秀逸なもので、美少女だけを前面に押し出すのではなく、きちんと大人たちの役割を演じさせている細かい配慮には頭が下がる。

有料配信されていただけあって、作画レベルも終始安定しており、ザムドやヒトガタ兵器の奇抜な動き見事に再現している。

ただ、終わり方がどこか尻切れトンボな感じがしてイマイチ終わったという感傷にひたれない。できればこの続きを見せて欲しいものだが・・・

6位:咲-saki-

超能力麻雀合戦

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キャラの可愛さもさることながら、やはり麻雀を知らない人でも雰囲気で優劣が分かる超能力麻雀が面白い。もはや怪獣や妖怪でも退治できそうな勢いで展開されるスタンド能力のような特殊スキルの数々は、話が分からなくても視覚的に十分楽しめる。

作画も終始安定して破綻を見せないし、さりげないエロ描写も下品さを感じさせない見せかたで好感が持てる。

これもまた他の作品と同じく原作未完の上に原作に追いついてしまったので、ストーリーとしては完全に中途半端で終わっているものの、謎や伏線というものがほとんどないので、1つの区切りとしてキチンと終了はしている。
できれば続きを視聴したい作品ではあるが、原作ストックを考えると数年は無理そうなのが残念である。

7位:クロスゲーム

そつなくストーリーをこなしていく良作

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行間の多いあだち作品をよくここまで巧く描写できると関心する。絶妙の間と余韻は原作を彷彿とさせるものがあり、製作側のセンスのよさ、原作に対する思い入れが伝わってくる作品である。

アニメオリジナルのキャラやエピソードも散見されるようになったが、原作の雰囲気を壊さない細やかな気配りで作成されており好感の持てる作りになっている。

ただ、やはり作画はあだち作品の雰囲気を再現するまでには至っておらず、止め絵の原画でさえ苦笑するような絵が散見される。そこまで望むのは酷なのかもしれないが、やはりストーリーがいいだけに作画面の劣化が残念。

8位:Pandora Hearts

予想以上に楽しめると期待していたが、最後に裏切られた

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最初はあまり期待せずに視聴していたのだが、キャラクターたちの群像劇が面白く作られており、ストーリー自体も動きがあってなか面白く視聴できていた。
原作未完ということでオリジナルラストになるということだったが、これまでのこの作品の作りからきっちりとケリをつけてくれるのかと期待していたのだが、あにはからんや、放り投げエンドでした。

今まで張っていた伏線や謎を全部放棄し、主人公の心の補完だけに収束させたラストは「エヴァ」のテレビ版最終回にも良く似たつくりで、物語の中のキャラクターとしての区切りはついているものの、肝心のストーリーは完全に放棄である。

なぜか最後の数話になって、いきなり新展開やら新能力やらを出して混迷してきたと思ったら、そのまま一気にグダグダになって放置という一種の夜逃げのような鮮やかな転身は見事に視聴者を裏切ってくれた。

この作品が好きになって原作を読みたいと思っていた矢先なので、この放り投げエンドは残念でならない。

9位:獣の奏者エリン

主人公の成長と供に面白味も増してきたが仄暗さも増してきた

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天真爛漫だった主人公は数々の哀しい体験や楽しい経験をすることで大人へと成長してきたが、物語が彼女の心情に沿っているために次第に物語から明るさがなくなってきた。同時に、国家的な陰謀に巻き込まれ始めることでさらに物語りは深く沈んでゆく感があり、視聴していてどこか不安になる。

主人公の周りの多彩なキャラ、歴史的背景など、見せ方が巧いのでキャラクターへの愛着や世界観の興味は尽きないのだが、どこか儚げで諦観した主人公に個人的にいまいちのめり込めない。
物語自体はよく出来ているし見せ方も巧いので、キャラクターよりも世界の行方と今後の流れは楽しみなんですけどね。

10位:真マジンガー衝撃!Z編

やっぱり主人公はあしゅら男爵と錦織つばさです

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最初から最後まであしゅら男爵を中心にしたストーリー展開で、彼(彼女?)の心情に寄ったドラマだった。ロボットアニメというよりも、異世界から来たあしゅら男爵の苦難と喜び、裏切りと助け合いの末に、自分の望みを叶えるという展開は、結末の正否はともかく、あしゅら男爵という個性的なキャラクターのサクセスストーリーに他ならない。

物語の流れは全く収束を見せておらず、さらなる戦いが始まるというところで終わっており、完全に放り投げエンドと言ってよい。そもそも、総集編としての1話との整合性も微妙でほとんど今川監督の感性とノリで作られているような感がある。

結果として何も終結していないため、スタッフが自分のやりたいこと、見せたいところだけ見せただけという感じでほとんどダイジェスト映像に近い。

11位:東京マグニチュード8.0

際どい判断の展開が評価を分ける作品


東京が大地震に見舞われた仮想シミュレーション世界ということで、防災アニメかパニック映画のようなものを想像していたのだが、予想に反して身近な人の死をテーマにした重々しい話だった。

身近な者の死の描写については感じ方受け取り方の違いで死を悲愴で凄惨なものと受け取る見方と弄んでいるように受け取る見方とに分かれるようで、その正否について問うことはできないが個人的には正直あまりよい印象を受けなかった。

一人の人間の生き方を前向きにさせるために、一人の人間の犠牲が必要というのがどうも私の中で割り切れない。

12位:蒼天航路

完全に着地点を誤ったストーリー構成のミスは致命的


原作厨のため評価は厳しくなってしまうが、この終わり方はどう考えてもおかしい。

そもそも、蒼天航路の主人公は曹操であり、曹操を中心にした物語である。原作では当然、孫呉と劉備も出てくるが、それはあくまで三国志という時代を象徴するためであり、中心はあくまで曹操。
しかしながら、何を間違ったのか孫呉を無視して劉備の動静に異様にこだわり、あたかも曹操と劉備の世界としてしまった構成のマズさはいただけない。

さらに、元々2クールでは原作全てを網羅することは不可能なため、呂布討伐、もしくは官渡大戦を物語の山場にもってくきて終わらせるべきところを、中途半端に官渡の序盤で終了という不手際は目も当てられない。

スタッフ側に作品への愛情が感じられず、原作厨としては哀しくなる作品となりました。

13位:宙のまにまに

痛い主人公が最後まで足を引っ張った


天文学部という珍しい分野にスポットを当てた作品で、天文ファンから見ると結構興味深い作品のようだったが、天文学素人からするとそれほど天文学に興味をそそられるほどの内容でもなかったのが残念。

ストーリー的には天文学の良さを披露するパートと学園ラブコメパートが半々程度のものだたのだが、それらを引っ張ってゆく主人公・美星のパーソナリティが痛すぎて物語が軽薄に成りすぎてしまっている。

天真爛漫で天然の少女という性格設定なんだろうが、天真爛漫というより軽佻浮薄で天然というよりも電波系に近い。
その痛すぎる性格で引っ張られるドラマは奇妙な軽薄さを持っており、それを修正するためのフーミンというキャラがいなければまともに視聴できなかったであろう。

没個性なキャラの中でひときわ主人公を目立たせようとするのは分かるのだが、ベクトルが間違っているような気がする。
また、最後はモブキャラだった部長勝利エンドは誰得な話なんだ?(笑

14位:CANAAN

作画クオリティは高いがお話としては微妙すぎ


最近流行りの少女が拳銃を持って撃ち合うのが基本なんだが、そのキャラクターの細かな仕草に、変幻自在の動き、緻密な背景描写と、モブキャラまで丁寧に描いている作画クオリティの高さは今期一番。
特に、第一話の祭りのシーンの細かさはもはや芸術的ともいえる。

しかし、肝心のストーリーに関してはどこか焦点がブレていて、キャラクターの懊悩に対する物語の流れのバランスが極めて悪い。キャラクターもありきたりなテンプレで、特異性を持たせる特殊能力もいまいち効果がよく分からないものが多くてキャラクターの差別化がはっきりしない。

当初はマリア視点で進む物語かと思ったが、途中から完全にモブキャラとなり、結局、最終的にストーリーはカナンとアルファルドの過去の確執に収束してしまったために友達という記号としてしか生きてこないのが残念。
また、最終話で確実に死んだと思わせて実は生きているというオチを2回も使われたことで、完全に興味が萎えてしまった。

15位:狼と香辛料Ⅱ

第一期のデキよさに期待しすぎてしまった


第一気は珍しいスト-リーに確立された世界観、そして個性あふれるキャラクターたちの洒脱なやり取りに魅了されたものだが、第二期はどこか違和感を覚えるところが多かった。

ストーリー的な面白みのなさもあるが、やはり一番の違和感はキャラクターたちの個性だろうか。
第一期のロレンスは堅実ながらも大胆で目先の効くのいい旅商人で、ホロは老婆の賢明さと若妻の妖艶さと幼女の無邪気さを兼ね備える絶妙なキャラで、二人の織り成す洒脱で洒落たセリフの遣り取りは心地よい音楽を聴いているような趣があった。
しかしながら、第二期になるとロレンスは商人というより大利を得ようとするギャンブラーで、ホロはただの嫉妬深い大飯食らいの女というような印象が強く、二人のセリフの遣り取りももはやイチャイチャカップルの睦言にしか聞こえない。

第一期のよさからハードルを高くしてしまったこともあるが、それを加味しても第一期には遠く及ばない気がする。

16位:07-GHOST

予想通りの単行本販売促進CM


主人公の旅立ちが始まるところで終了し、俺たちの戦いはまだまだ続く!ってよりも、俺たちの戦いの準備はまだ出来てないので修行してから戦いが始まるぜ!って感じで完全に物語りの序章である。

しかも1クールほどの長さの話を強引に伸ばしているものだから、ストーリーの内容は浅く、展開は魯鈍で見せ方は冗長で褒めるべき箇所は見当たらない。

本来なら、亡国の王子と親友たちの熱いドラマが展開されるはずであり、背景設定とキャラの魅力は十分に備えており、物語の作り方によっては壮大なドラマにすることもできたはず。

しかしながら、単行本販売促進という頚木から逃れられず、続きは原作を読んでという展開にしか落ち着かなかったのは残念。性能はいいのに生まれた国と時代が悪かった名機ケンプファーのようだ。

17位:うみものがたり~あなたがいてくれたコト~

作画の透明的な美しさに反比例してストーリーが暗すぎる


パチンコ台から生まれたキャラということで、キャラクターの名前とおおよその外観以外は全てオリジナルなので、ほぼオリジナル作品として期待してました。
透明感のある作画の美しさは文句無しですが、その作画の美しさを台無しにするような重くて暗いストーリーはいったいなんだったのか・・・。

魔法少女みたく変身少女モノかと思えば、バトルはどこか投げ槍というかぞんざいに作ってある印象で緊張感も迫力もゼロ、加えてBGMもまるで盛り上がらない音で違和感を拭えない。

終始ストーリーは暗くじめじめしており、視聴していて爽快になることはなく、どんどん凹んでいく感じ。
結果的に一人の少女の成長物語だったのだが、そこ結末に至るまでにこれほど暗いエピソードと無駄なバトルが必要だったのか疑問。というか、なんでこんな不快指数の高いエピソードを作ったのか製作意図が理解できない。

18位:NEEDLESS

個性のない退屈な戦闘が続いている


隔離された無法地帯での特殊能力戦闘ということで、奇抜な戦闘能力とか派手な戦闘シーンを期待したのだが、微妙に予想とズレている。

特殊能力がワンパターン化していてインパクトに欠けるというのもあるが、基本的に話の盛り上げ方が巧くない上に止め絵を多用する戦闘だから面白みにかける。
寒々しいギャグは個人的には好みなんだが、戦闘の緊張感をなくしたり場違いな空気を作り出したりと、その見せ方にやはり問題がありそう。

基本的には戦闘とギャグコメが見せ所なんだろうけど、どっちも完全に封殺されているような感じで作品の面白味が未だに理解できない。

19位:【懺・】さよなら絶望先生

新作ごとにつまらなくなってゆく


基本、あるあるネタやパロディネタで構築されているはずの作品だが、ネタが尽きたのかもはやただのナンセンスギャグと化しており、時折挿入されるネタにもあまり共感できるものがない。

元々幅の広いストーリーではないため1作目は楽しめたものの、2作目3作目と続けるうちにネタのマンネリ化、恒常化を起こし、そしてそれを避けるためのナンセンスギャグへの移行がさらに物語の混迷に拍車をかけた感じ。

原作未読のためこの作品の持つ本来のよさは分からないが、原作補完できる人だけが楽しめるようになっている気がする。

20位:タイタニア

原作もアニメもやる気が感じられない


原作は作者が飽きて放置という不幸な作品だが、それをなぜアニメ化しようとしたのかNHKの真意は不明だが、予想通りにグダグダな最後でした。

これから壮大な物語が始まるための序章、キャラ紹介、世界観や設定の説明に過ぎず、これが本編とは到底思えない。
本来なら1クールほどのストックしかないところを強引に2クールにしたためにつまらないオリジナルエピソードが満載で、もはや壮大なスペースオペラの序章といよりは学園恋愛モノが始まるような矮小さしか感じない。

やはり原作者の愛情を受けない作品というものは哀れだ・・・

21位:アラド戦記 スラップアップパーティー

最後まで低水準だったがどこか憎めない良さがある


作画クオリティから脚本にいたるまで、ここまで低質な作品は昨今でも珍しい。
ファンタジーバトルモノでありながら肝心のバトルシーンに迫力がないのが致命的。この手のファンタジーモノってのはバトルシーンが一番重要で、ゲーム原作なら多少のストーリー的な破綻は目を瞑れるのだが、ここまで作画がしょぼいともはやフォローのしようがない。戦闘シーンだけでも格好よく描写してくれればまだ救いがあったのだが・・・、

総じて出来はよくないのだが、主人公のバロンというキャラの心根の良さだけが唯一作品を不愉快にまで貶めるのを阻止している。

22位:バスカッシュ!

スポコン、美少女、リアルロボ、何でも詰め込み大失敗


設定やストーリーの流れが奇怪すぎてもはや納得したり理解したりするのは不可能。その場その場で製作者の感性で物語を作り出しているかのような唐突さ、整合性のなさは、説得力の薄さは凄まじい。
出オチ同然だった迷作キスダムと同様、この作品も最初の数話と前評判だけの出オチ作品。

適当に劇中で歌を詠わせてりゃ何となく格好つくだろう的な安易さと、大風呂敷を広げりゃ壮大なドラマに感じるだろう的な安直さしか感じず、スタッフ側も製作に熱意を込めているとは到底思えない

いったい誰がこんな風にした?

23位:戦場のヴァルキュリア

戦記モノという名を借りた学園ラブコメ


やはり戦記モノを一度も書いたことがないどころか見たことも読んだこともないスタッフが作ると戦争とはこうも凄惨さを失い、戦争が体育祭か文化祭のようなノリになってしまうのかと暗澹たる気分になってくる。

しかも、最後は戦記モノとさえ言えないファンタジーバトルモノと化し、あたかも格闘ゲームを見てるかのような無双状態が続くのは何とも興ざめ。

ゲーム原作が難しいのは分かるが、戦記ものを予想していた視聴者の期待は確実に裏切った。

24位:シャングリ・ラ

最後まで製作側の自己満足で終わった駄作


地球温暖化による炭素経済や気候異常、人口増加による選民思想と食糧危機と、近未来の世界を思わせるような設定を嘯きながら、それらが全く掘り下げられず、形としての設定で終わってしまった。
作中で専門用語や難しいセリフを並べていたが、省みてみるとそれらの設定やセリフさえ怪しげに思えるほどにこの作品の出来は悪い。

そもそも近未来の世界を模しながら、その実、最終回に近づくといきなりファンタジー要素を挿入してあたかもこの世界が魔法と幻想世界であるかのように見せるのはもはや設定の説明放棄としか思えない。

最初に大風呂敷を広げたことで、キャラクターよりも世界観、物語性を重視して進めなければならないのに、世界観や設定の説明を放棄し、よく分からないキャラクターを画面の中で都合よく動かしているだけで、そこには説得力のかけらもない

唯一、キャラクターとして立っていたのはミーコだが、彼女の死によって僅かに残っていた面白みさえなくなってしまった。
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