勇者、辞めます
第９話「勇者、辞めたい」
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突然、魔界へのゲートが閉じ始め、エキドナは撤退を覚悟するが・・・
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大霊穴が閉じる
「大霊穴が閉じかけていて･･･」
「！？」
「緊急事態だ。我とシュティーナとオニキスの魔力を供給して一時的に安定はさせたが、あの様子では７日と持たないでしょう」
「エキドナちゃん、大霊穴が閉じたらどうなるの？」
「魔界へ帰れなくなる」
「え･･･」
「一度閉じれば、大軍を連れて来られるほどの穴が開くのはいつになるのか。何百年、いや何前年後･･･」
オニキスを仲間に入れて人間たちに体して攻勢に出ようという矢先、魔界とこの世界をつなぐ大霊穴が閉じかけているとのこと。
一度閉じれば次に開くには数千年必要で、そうなれば魔界は争いで滅んでしまうので、いまいる手勢で希望者を募ってこの世界に残るか、全員で魔界に撤退するかしか手はないようです。
唯一の手が、賢者の石を奪って魔界に持っていって変革をするということだけのようです。
魔界とこちらの世界は一度閉じたようだけど、その後に何度も開いたり閉じたりしてんだろうか？ 数千年前に一度閉じてるよな？ あの英雄ゴブリン？が逃げられなくなったんだから。その後、何度も開いて魔界の軍勢が来てるだろうに、その時はどうしたんだろ？
エキドナの魔力が弱いから続かなかったんだろうか？
流れで正体を明かす
「ひとつことわっておきましょう。賢者の石は万能の願望機ではありません。マイクロブラックホールを通じて、半永久的に魔力を供給する古代機械文明の超機関です。陛下の望みが叶うか分かりませんが」
「そうなのか」
「探せば人間界のどこかに詳細な取扱説明書も眠っているはず。人間たちも同じモノを探していますが、時代が時代です。なかなか見つからない」
「ならば、余計に人間たちとの和解を目指した方がよいのかもな。人間たちと一緒に説明書とやらを探して･･･だめだな。肝心の賢者の石は人間たちから奪うしかない」
「心配には及びません。私の知る限り、人間界には賢者の石は２つあります」
「２つ！？
「陛下はもうひとつの賢者の石を持って返ればよいでしょう･･･つーかおまえ、いい加減こっち見ろ！」
「？」
「緊急時だから、いい加減正体を隠すのも止めだ」
「ええ！？」
「もしかして、レオがオニキスでオニキスがレオ！？ アハハハハ･･･そういうことか」
「エキドナ、時間が惜しい。もう一つの賢者の石がある所に案内したい」
「しねええええええ！
「うわあああああ！」
魔界への撤退を決めたエキドナ。しかし、それでは魔界で全員が食いつぶされてしまうのを待つだけだと判断したレオは、急遽正体を明らかにし、もう一つ賢者の石があると言い出してエキドナにそれを持ち替えるよう進言するも、怒りで我を忘れたエキドナは速攻で攻撃を仕掛けますｗ
どんだけレオのこと嫌いなんだか（笑 まあ、あれだけ覚悟して魔界から出てきたのに、レオひとりに全員がボコボコにされてんだから、レオがいなければと思うだろうけど、普通に仲間になると言ってきてるんだから、問答無用ってことはないだろうに。
普段は冷静で理知的に物事の判断ができるのに、レオのことに関してだけは感情的になっちゃうのねｗ
もう一つの賢者の石のありか
「無事に賢者の石を手に入れたら、人間たちと若いして取扱説明書を探してみろ。世界のどこかに、アカシックエンジン機能仕様書というものが眠っているはずだ。それがないと、石を扱うのは無理だ」
「人間と和解か」
「できるか？」
「正直、ほんの少し前までは不可能と思っていた。だが、考えが変わった」
「大丈夫。人と魔族はわかり合えるものだ」
「賢者の石は、俺が持っている。デモンハートシリーズの心臓。無限エネルギー機関、アカシックエンジン。それが賢者の石の正体だ」
「ちょっと待って。それってつまり･･･」
「賢者の石が欲しければ、俺を殺して心臓をえぐりとれ！」
「「「「！！！」」」」
「元勇者、レオ・デモンハート。特技は剣術、黒魔術、精霊魔術、神性魔術、その他全般！未だ仮採用の身ではあるが、愚かな人間を全滅させるべく、本日をもって魔王軍から脱退させてもらう！いっておくが、おまえらに逃げの選択肢はないぞ。逃げれば即座に人間界に降りて人間どもを滅ぼす。ついでに賢者の石の文献も燃やし尽くす！どんな苦難も乗り越えるといったな。今がその時だ！」
「････」
「賢者の石が欲しければ、世界を救いたければ、俺を倒してみせろ！勇者ども！」
もうひとつの賢者の石。それはレオのエンジンでもある心臓でした。
おお、この展開は考えていなかったぞ。ということは、いま人間界にある賢者の石は、レオと同じシリーズの誰かの心臓ってことなのか？
まさか自分が魔王となって、魔王たちを勇者に模して自分を討伐させる展開とは予想外だったので驚いたわ。これ、この先どうなるんだ？ すげー楽しみになってきたぞｗ
他の異世界転生モノが失速しまくっている中、まさかこいつが一番面白い作品になるとはｗ やはり、最後まで観ないと分からんもんだな。
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これは燃える！いったいどうなるんだ？ レオを倒しておしまいなのか、それともレオも賢者の石もゲットする妙策でも見つけるのか？ まだ最終話には早いし、次回では決着着かないんだろうか？ 気になる！
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